ドイツの自由ハンザ都市ハンブルグで開催された今回の七夕サミット=G20サミットでは、反グローバル化と反パリ協定のふたつのポイントで、トランプ米大統領が矢面に立たされた。
ああ、トランプってやっぱトリックスターだよなぁ、って思う。
トリックスターは秩序を引っかきまわしてまわりを混乱させるわけだけど、それはその秩序自体が矛盾をふくんでいるから。トリックスターはそこをついてくる。
たとえば核兵器廃絶と核のグローバル化。
つまり核の戦争利用の停止と核の平和利用の促進。
じつに矛盾。僕には詭弁としか思えない。
で、そこを突きつつとうとうICBM+プルトニウムを手にしたトリックスターが、北朝鮮。
グローバル資本主義とパリ協定もおなじだ。
そもそも地球温暖化が叫ばれるようになったのは、いまのグローバル経済が1980年代はじめに確立されたあと。1992年に最初の地球サミットが開かれ、とくに2000年代に入ってからだ。
じっさい地球の気温が上昇に転じたのも1980年代である。
70年代までは未来予言系の雑誌や書物では、地球に氷河期がくる、なんてのが一般的だった。
ふつうに考えればわかると思う。
異民族が出会ったとき、最初に起きるのがパンデミック。つぎに環境破壊。
その破壊力は、じつは戦争なんか比べものにならない。
たとえばインディアンにしても、圧倒的にやられたのは天然痘だったとされる。
グローバル経済=世界平和。
そんなのは多国籍企業の方便。
グローバリストのいう多様性とは国際基準にあわせるってだけの話で、その先にあるのは画一化。
じつはそれがいちばんこわい。
画一化はけっしてバランスではないからだ。
じっさいいま地球環境もその方向に向かっている。
地域の個性が失われれば、気候だって特色を失う。
つきつめれば、地球環境のバランサーが消えることになる。
深層海流だ。
人類がグローバル戦略に出れば、そりゃヒアリだってグローバル戦略を展開するわな。
中国産のクビアカツヤカミキリのグローバル戦略のおかげで、あと数十年もすれば、お花見という日本の文化も消えるだろう。
そういうものだ。
本来あるべき土地の植物ではなく、熱帯の植物で街を飾れば温暖化するし、外来種をペットにしてポイ捨てすれば生態系だって変わる。
人類が思ってる以上に彼らはしたたかで、はるかに強いのだ。
右手にグローバル化。左手に環境保護。
これって最高に笑える矛盾。
同時に、最高に笑えない矛盾だ。
最近、カナダにとんでもない大氷山が北極から漂流してきて話題になってるけど、7月10日から12日にかけて、ついに南極のラーセンC棚氷から巨大氷山が分離した。
その面積はほぼ三重県といっしょだそうだ。
三重県大の氷山とは、知能指数1300のさすがのルチ将軍もびっくり。
南極は冷えてるって話じゃなかったけ?
グローバル経済を止められないなら、せめて僕らひとりひとりが在来種の見直し運動に入らないと、いずれ超豪雨で全国各地で山体崩壊が起き、そこから熱帯植物が繁殖するなんて事態になりかねない。
そして相乗効果でますます気候を変える。
気候が変わったから植生や生態系が変わるのではなく、植生や生態系の変化が気候を変えるってのもあると思うな。すくなくとも頭お花畑の人類よりずっとリアルに、植物や虫たちは地球さんとつながってるのだから。